関乃平の簡易芸術年表★1945年9月12日、北平(現・北京)に生まれる。「乃平」の名は平和を意味する。父は関広志(清華大学教授・画家。1930年代初頭に英国留学を果たし、水彩と銅版画を専攻する。英国・ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ初の中国人留学生であった)。母は王汝瀾(大学講師・民俗学者。早稲田大学卒)。 ★1952年、7歳。香山慈幼院小学部に入学。絵画の想像力を見出され、父のような画家になることを志す。 ★1958年、12歳。1月、父関広志、病死。9月、北京市第四中学に入学。 ★1959年、14歳。最初の創作油彩画「晨」で全国少年児童美術展2等賞受賞。宋慶齢(孫文夫人)と接見。 ★1961年、16歳。中央美術学院附中に入学。 ★1963年、18歳。北京市第四中学に転校、理工科を学ぶ。 ★1967年、22歳。北京市第四中学とその他の学院のため、大型壁画及び宣伝画を描く。 ★1968年、23歳。延慶県の教員として配属される。各地に数十幅の大型壁画を制作開始。 ★1976年、31歳。北京市西城区文化館に採用となる。ガッシュの創作「沸騰的山村」で北京市美術展に入選。 ★1978年、33歳。水彩画「天壇秋日」で北京市美術展に入選、北京市美術協会会員となる。中国鉄道出版社美術編集員に採用される。 ★1979年、34歳。中国鉄道部で雑誌の美術編集・記者として採用される。 ★1983年、38歳。来日、東洋美術学校に留学。 ★1984年、39歳。東洋美術学校と中央美術学院及び中国美術学院の友好関係に尽力。 ★1985年、40歳。秋、京都・奈良へ赴き美術及び日中文化交流史について考察。とりわけ鑑真渡日の事績には敬服の念を抱き、海のシルクロードを絵画で表現したいという意思が芽生える。 ★1986年、41歳。4月、東洋美術学校卒業後、同校専任講師に就任。絵画科・インダストリアルデザイン科・インテリアデザイン科で素描を教える。 ★1987年、42歳。8月、新宿の小田急百貨店美術画廊にて、中国国外における初の個展となる「関乃平の世界画展」開催。12月、米国を初訪問。 ★1988年、43歳。東洋美術学校に国外初の中国画科を設立。東南アジアの芸術について考察、二度目の訪米。 ★1989年、44歳。2月、潘天寿基金会理事兼駐日代表に招聘される。 ★1990年、45歳。12月、中央美術学院対外美術教育交流センター日本部部長に招聘される。加山又造先生を中央美術学院名誉教授に推挙し、北京での講演や交流に尽力。 ★1991年、46歳。東洋美術学校中国画科主任教授に就任。7月、訪欧しイギリス・イタリア・オーストリア・ドイツ・スペイン・フランスの6カ国で主要な美術館を見学。12月、ソ連を訪問しモスクワ・サンクトペテルブルク、ウクライナのキエフにて芸術考察。 ★1992年、47歳。『中国・中央美術学院方式による 水墨画テキスト』を日貿出版社より刊行。 ★1994年、49歳。8月初旬、スイス・フランス・ドイツを訪問し多くの写生を行う。8月下旬、杭州・周荘・蘇州・北京を訪問、「シルクロード—水郷シリーズ」を創作。年末、北米を訪れ海洋を題材とした写生を行う。 ★1995年、50歳。10月、画集『彩墨情』(日貿出版社)刊行。12月、香港・ 昆明・西安・北京にてシルクロードの創作のための写生及び素材収集。 ★1996年、51歳。中国美術家協会中国画芸術委員会駐日代表に招聘される。国際水墨画交流協会を設立、会長に推薦される。8月、シルクロード美術考察団を組織し、ウルムチ・トルファン・ベゼクリク千仏洞・火焔山・ 高昌古城・敦煌・西安などで写生。10月、オーストリアのリンツで開催された国際美術デザイン学校協会の会議において講演「東方芸術の一枝鮮花—中国画」を行う。 ★1997年、52歳。5月、中国美術学院客員教授に招聘される。スイス国際平和展に参加、受賞並びに“世界平和画家”の称号を授与される。 ★1998年、53歳。8月、米国サンディエゴ・ロサンゼルスにて個展を開催。 ★1999年、54歳。9月、世界華人芸術大賞「国際栄誉金賞」受賞。12月末、米国で写生、「米国20世紀芸術貢献賞」受賞。 ★2000年、55歳。水墨人物画の大作「地球を抱く」で『藝術公論』「オリンピック金賞」受賞。8月、米国で取材。 ★2001年、56歳。9月、中国華僑連合会海外顧問に招聘され人民大会堂にて党・国家指導者と接見。 ★2002年、57歳。5月、彩墨画「緑色空気」創作。後に中国大使館に収蔵され、王毅大使官邸に陳列される。任道斌との共著『中国の水墨世界』シリーズ全5冊の日本語版が露満堂より刊行、各メディアから“十年一剣、四海の受益”と称される。7月、中央美術学院客員教授に招聘される。12月、台湾を周遊し「日月潭」等の作品を創作。 ★2003年、58歳。シルクの都を訪問、この間に天台山・雁蕩山・寧波などで写生。 ★2004年、59歳。8月、画集『世界のシャングリラ』(日貿出版社)刊行。海のシルクロードの素材収集のためインド・シンガポール・マレーシアを訪問。 ★2005年、60歳。6月、北京語言大学客員教授に招聘される。10月、シルク古道に前後して青海高原・青海湖・タール寺・炳霊寺・黄河・劉家峡・蘭州などを訪れる。年末、「シルクロード行—青海甘粛シリーズ」を創作。 ★2006年、61歳。1月中旬、客船にて香港・ベトナム・シンガポール・マレーシア・タイに赴き、海のシルクロードの素材収集。6月、香港・ 昆明・麗江・シャングリラにて茶馬古道の素材収集。8月、米国カリフォルニア及びハワイを訪問。シルクロード作品20点を「東京国際芸術祭」に展示。10月、フランス・ベルギーを訪問、写生多数。主宰する第9回国際水墨画交流展にシルクロード作品「青海高原大黄河」を出品。 ★2007年、62歳。客船にてコスタリカ・パナマ・メキシコ・米国・カナダを訪問。9月、シルクの源・湖州にて素材収集。10月、広西省の桂林・陽朔・竜勝などで写生。11月、北京電視台で関乃平の芸術的成功と海外における美術教育の成果を紹介する番組が放送された。12月、画集『夢の船「飛鳥」で世界へ』(日貿出版社)刊行。日本郵船歴史博物館にて個展「思い出の『飛鳥』クルーズ絵画展」を開催。 ★2008年、63歳。3月、日本華僑華人文学芸術家連合会会長に就任。8月、オーストラリアのシドニー・キャンベラ・メルボルンにて芸術考察。 ★2009年、64歳。2月、四川省万県・成都・徳陽にて四川大地震の被災地支援。7月、ネパールへ研修旅行。秋、国慶期間に華僑華人の代表として建国60周年式典で天安門に参列、人民大会堂での国宴に出席。 ★2010年、65歳。2月、客船にてタイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・オーストラリア、パラオの6カ国を訪問、講座と写生を行う。 ★2011年、66歳。9月、中央ヨーロッパ4カ国(ハンガリー・チェコ・オーストリア・ドイツ)にて芸術考察。杭州にて彩墨風景画の個展「世界のシャングリラを行く」開催。11月に雲南省・広西省、12月に福建省泉州・恵安で写生。 ★2012年、67歳。3月、厦門・泉州・恵安・武夷山で写生。6月に雲南省・広西省、12月に広西省・福建省にて取材。画集『情系“海上絲綢之路”』(吉林出版集団)刊行。 ★2013年、68歳。福建省にて個展「海のシルクロード展」開催。中国華僑連合会の招きに応じ、7月にチベット・ニンティ・ラサ・シガツェ訪問、9月に内モンゴルのフフホト・オルドスを訪問し芸術考察。9月下旬、中央美術学院陳列館にて「古橋遺風—関広志、関乃平、翟欣建、翟博四人連展」開催。画集『尋美之旅』(吉林出版集団)刊行。12月、第九回全国帰僑僑眷代表大会に参加、海外顧問に任ぜられる。厦門美術館にて「橋・僑—海外華僑華人心連心」展開催。 ★2014年、69歳。1月、海のシルクロード作品の充実をはかるため、コロンス島、泉州、恵安にて取材。2月、横浜・香港・ベトナム・シンガポールにおいて講座と写生を行う。 4月、西泠芸苑の主催で「世界にささげる詩—関広志・関乃平父子展」開催。同時に『献給世界的詩—関広志・関乃平父子創作合集』(西泠印社出版社)刊行。5月、上海の雲間美術館にて「海のシルクロード展」開催。会期中に講演「シルクロードと私」を行う。6月、神奈川県立音楽堂にシルクロード作品13点を展示。9月、ギリシャ・トルコにて写生。 ★2015年、70歳。2月、南京で「シルクロード画展」開催。4月、青島中国水彩博物館の「百年華彩展」開幕式に出席。同館に関広志の「春色」「衡山」「北海大高殿」の3作品、及び関乃平の水彩画「三味書屋」が収蔵される。6月、北欧4カ国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)を訪問、北欧の芸術について考察。12月、湖州にて個展「美しいシルクの源とシルクロード」開催、画集『美麗的“絲綢之源”与“絲綢之路”』(湖州図書館・西泠芸廊)刊行。 ★2016年、71歳。1月21日、「中文導報」紙に「関乃平:現代シルクロード画家の第一人者」のタイトルで記事及び作品が掲載される。3月、ポルトガル・スペインにて芸術考察。5月、北京の愛徳芸術院にて関乃平・励国儀・翟欣建・徐仲偶による「シルクロードの夢を追う—四人展」開催。 ★9月中旬から下旬にかけて地中海沿岸のイタリア・フランス・モナコ・スペインの四カ国を視察。特に南仏ではセザンヌとゴッホの芸術の足跡を訪ねた。10月末、8冊目の画集となる『関乃平的水墨世界』(吉林電子出版社)を刊行、115点の作品が収録された。12月、浙江美術館に80点の作品が永久収蔵されることとなり、同美術館において「シルクの都とシルクロード―関広志・関乃平父子作品展」が開催された。併せて父子の大型画集が出版され、関氏父子作品研究討論会が開かれた。 ★2017年、72歳。1月17日、「中文導報」にて浙江美術館での関氏父子合同展の様子が報道される。2月、東京で「東洋美術学校中国水墨画科30周年記念絵画展」開催。5月に北アフリカ、8月には内蒙古フルンボイル大草原およびハイラル区を視察。9月、栄宝斎海外顧問・西泠印社美術館顧問に招聘される。同月、北京四中にて「関乃平情系シルクロード展」開催。11月、南京熙和美術館にて「溢彩世界―関広志・関乃平父子合同展」開催。同時に大型画集が出版され、関氏父子水彩画研究討論会が開かれた。 ★2018年、73歳。3月、杭州にて全国写生会水彩画審査員を務める。6月、アメリカ北カリフォルニアにて三週間に渡り写生。12月、莞城美術館にて「京華風采 シルクロード伝情―関広志・関乃平父子合同展」開催。関乃平の作品90点が展示され、大型画集に収録された。また、展覧会に併せて関氏父子水彩画研究討論会が開かれた。 |